小粒でシンプルな消防士プラットフォーマー『Nuclear Blaze』を今更やった。
短期間での開発と自分の小さな子供へ向けたゲーム…という明確なコンセプトの基に作られたザ・職人仕事という趣で大変良かった。
カテゴリー: review
極私的Game of The Year 2024 (転)
毎年書いていることだけれど、今年もまた目が回るような出来事や環境の変化ばかりあった一年だった。
前半は18歳の後半から学業と並行してゲーム業界に入ってから20年超にして、ついに今年初のメンタルクリニックを経験し、薬をガリガリ食いつつ必死で仕事をしまくった。特殊な環境下でのリード~ディレクション業務が祟ったせいか不調にはなってしまったものの、腐らずなんとか乗り切れたのはファシリテーションの経験とスキル向上を日々体感できていたこと、過去に吉田豪の名著『サブカル・スーパースター鬱伝』を読んでいたことが大きい。
後半はといえば、組織改変により新会社への転籍&所謂部長?としてのポジション変更があったせいで慌ただしく、1on1の実施やキャリアプランのフォローなど、こちらも薬をガリガリ食いつつ会社組織としてのビルドを試行錯誤し今に至る、という感じ。
そんな事もあり、家に帰ってパッド/PCに触る余裕なんてなくVシネ(今はこう呼称するのは誤りだけど)の『日本統一』シリーズをハイペースで履修した結果、シリーズ初の映画作品『氷室蓮司』の舞台発表にまで行く事になったり、山口貴由の最高傑作『劇光仮面』の影響で昭和特撮ばかり観ていたせいで、本当に今年こそほぼゲームに向き合える時間が全然なかった。

あとは事務所に反旗を翻して戦う事を選んだNewJeans(Jeanz)に大感動して箱推しになったため、10月以降はひたすらそればかり聴いていた。
…という長い言い訳を一通り終えた上で、今年触ったゲームは以下。ほんと少ないな…
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会社を変えた。
20歳前後の頃から(途中別の会社に行った時期もあったが)足かけ15年以上在籍し、実質開発部のトップまでやらせてもらっていた会社を今年の夏にスパッと辞め、今はまた別の所で、凝りもせずコンソール用ゲームをガリガリ作っている。
最後に作ったタイトルはディレクターとしてなんとか世に出て(SNSを見る限り)高評価、Youtubeなどでもそれなりに人気になっているようで安心した(本数はリリースとほぼ同時に辞めたので何も知らされてない)。
そういうわけで、今年はこの転職にまつわるあれこれや、リモート化した事で労働時間が逆に爆増したこと、さらに新しい現場に元関東チャンピオンがいたことで意図せず始めたポケモンカードゲームに鬼のようにハマってしまい、余暇時間の数%にカード検索とデッキビルドに忙殺され例年以上にビデオゲームを遊ぶ時間が全然作れなかった。そんな中で、今年一年遊んだゲームは以下。いつも通り発売日ではなく今年遊んだもののみ列挙。クロバットVとデデンネGX、ターボパッチがあれば大体なんとかなる気がする。
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地べたに這いずり回って泥水をすすり、何度も割を食いまくった去年に比べると、幸い今年はそこまで悪くない。何より開発のリードを担当したタイトルが1本リリースされ、お客さんからの評価も上々、売り上げも想定より大分好調、というのは素直に喜びたい。
業界的には、本格的に導入され始めたサブスクリプションサービスの台頭が印象として特に大きかった。EA Access PremiereとApple Arcade、Xbox Game Passをそれぞれお試しで加入してみたが、お得感も利便性も相当なもの。ここ数年で良いゲームを作るスタジオを怒濤のように傘下に収め、新作を初日からXBPで配信する本気度のMicrosoftは特にすごい。いち開発者として、DLCを含めた追加の少額課金の更なる重要性など、ゲームの「売り方」を考え直さないといけないだろうな、と強く感じた。
今年プレイしたゲームは以下。
“極私的Game of The Year 2019” の続きを読むThe New-Old Schooler – バイオハザード RE:2
Anthem(注:購入は1月下旬)までの「繋ぎ」として軽い気持ちで買ってみたのだけど、さすがメディア・消費者共に高評価なだけあって、思いのほか良くできていて驚く。旧作も遊んでいたんだけど、今作をプレイして、改めてゲームの作りとしてかなり手堅い&効率的なまとめ方に感心する。
前作(?)の『バイオハザード7』の新しい試みだったPOV方式から一転、ここ10年のベーシックなTPS方式に戻し、ベースの『バイオ2』の持つアクション性(主に「逃げ」の要素)に最適化。とはいえシューターに寄りすぎて失敗してきた過去作の同じ轍は踏まない調整も同時に行っているのが上手い。具体的にはゾンビが鬼のように固く、いくらヘッドショットを狙ってもそう簡単に死なない点。旧作にあった、「怯ませる / 誘って体勢をずらして切り抜ける」体験が自由なTPSと両立できているのがすごい。これは基本的にフィールドが狭い・窮屈な事も功を奏していると思う。