ウルトラハードコアなプロジェクトが一旦落ち着き、アップデートやらDLCやらの対応から始まった2022年。これまで狭くてもプレイヤーの一部に深く突き刺さるようなタイトルを作ることに使命感を燃やしていたけど、「広く多く売ること」でしか得られないカタルシスと強い責任がある、と開発歴10数年にしてやっと(我ながらアホだなと思うが)気づく。
そんな感じでいい年になるかなと思いきや、最悪な侵略戦争がはじまるわ、Twitterが意味の分らない事になっていくわ、相変わらずJPNの内政は何も変わらないわ、と気づけばカオスのまっただ中。ゲームでも遊ばないとやってられん。
ということで今年プレイしたゲームは以下(例によってリリース年は無視)。
PC
- Final Fantasy 14 紅蓮のリベレーター
- Final Fantasy 14 漆黒のヴィランズ
- Final Fantasy 14 暁月のフィナーレ
- スペースマウス
- Secret Pie
- Vampire Survivors
- Oxalis
- Eventide: Slavic Fable
- Lonrn’s Lure: Prologue
- NARAKA
- CONTROL
- Dying Light 2
- Elden Ring
- オークマッサージ
- Shadow of The Tomb Raider
- Citizen Sleeper
- Gloomwood
- 聖剣伝説3 Trials of Mana
- Unpacking
- Cult of The Lamb
- Loop Hero
- Spelunky 2
- Disco Elysium (JP)
- Hyper Demon
- Overwatch 2
- Katana ZERO
- Rogue Legacy 2
- Dwarf Fortress
- Occult Case Files: Case One
- Rattenkönig
- Against the Storm
Switch
- ポケモンレジェンズ アルセウス
- 奇々怪々 黒マントの謎
- モンスターハンターライズ: サンブレイク
- ゼノブレイド3
- スプラトゥーン3
- ポケットモンスター スカーレット/バイオレット
Xbox Series X/S
- The Gunk
- Paradise Killer
Mobile
- Marvel SNAP
その他
- Wordle
1月早々とはいえ、Wordleが今年、というのに驚く。
FF14は一気に駆け抜けようとしたけれど暁月でなんとなく失速して停滞中。
購入から3年を経ての日本語化、満を持してプレイを始めたDisco Elysiumはプレイ感がヘヴィすぎて(嬉しい意味で)日々ちょくちょくと遊んでいるせいかまだ終わらず。
などなど、小規模タイトル(スカムを含む)の掘り下げがあまり出来なかったところは個人的な反省点ではあるけれど、この中で特によかったと思ったタイトルはこんな感じ。
Unpacking
「段ボールから一個ずつ出てくる荷物を部屋の正しい場所に綺麗に収納する」という、仕組み的に類似の仕組みはいくつかあれど、よく考えると非常によくできたパズルゲーム。
古来からあるスタッキング系パズルの派生ではありつつ、各ピースの全てが日常と隣り合わせな素材であることで、より気持ちいい・納得感のある収納をプレイヤーが自分から目指したくなる欲求が自然と湧き上がる、題材の勝利。
それよりもこのゲームが凄いのは、この「荷ほどきパズル」のレベルデザインだけでストーリーを構築し、物語の波を作り、プレイヤーの感情をコントロールしきった点。 この部屋の住人はなぜ引っ越してきたのか、直前のステージと今の間にどんな人生の転換があったのか、を、段ボールから荷物をひとつひとつ取り出すだけで雄弁に語る構成が白眉。
Citizen Sleeper
前作『In Other Waters』で一躍名を馳せた開発チーム、Jump Over The Ageの最新作。
抑制的なサウンドトラック&アンビエントと美しいアートワーク。そして何より、(現状自分の知る限り)他の追随を許さない圧倒的に洗練されたUIデザインが強い。
ゲームの作りとしては、最近また復権してきているスタティックなテキスト主導型のRPG。シナリオやサブクエストで「ダイス」を消費して行動し、出目(実際に振るのではなく決め打ちの中からの選択式)の高低を使って処理していく。比較的シンプルな作りではあるのだけど、ゲーム内世界に生きる魅力的なNPCと派手さはないが滋味あふれる数々のサイドクエストが上質。シングルプレイながらTRPGをやってる感を際立たせる。
その他細かいインプレッションはIGNJの藤田さんの記事参照。
ちなみに現在追加コンテンツ3部作のうち、第一弾「FLUX」第二弾「REFUGE」までがリリース済み。
Rattenkönig
総プレイ時間約15分のシンプルな物理ベースのパズルプラットフォーマー。なのだが、その題材と演出が非常にドラマチックで、一部で話題になった1本。
タイトル(ラットキングのドイツ語)の通り、尾が絡まり同化してしまった2匹のネズミの兄弟(うち1匹は既に死亡し腐乱している)を操作。尾で繋がった兄弟の腐乱死体を引きずりつつ、その重みを上手く使って進むという悪趣味さと、幕間に挿入される叙情的なカットシーンが特徴的。
前述の通りフリーかつ15分ほどでクリアできるので、料理の合間などにぜひ。
ポケットモンスター スカーレット/バイオレット
フレームレートの不安定さ(というか水辺の厳しすぎる処理落ち)や地形コリジョンの危なっかしさ、カメラ、クリッピングの最適化不足など、ハード的な理由があるにしても擁護しきれない設計の甘さが際立ってしまう残念な部分は多い。
ただ、それでもナンバリングの新作としての特別な体験・驚きに満ちた、数十時間もの楽しすぎるプレイ体験は紛れもない事実。加えて、初代からずっと根底にあった”世界や人々に対するまなざしの優しさ”が今作は特に強く(シナリオ担当変わった?)、最悪すぎる今年の気分に寄添ってくれた。
ぎんのおうかん購入可、ミントととくせいパッチも無限入手と、予想通り面倒な厳選要素を実質ほぼ撤廃してストレスフリーになった点について、非対戦勢のオールドファンとしてはアンビバレントな感情があるのは事実だけど、シリーズの方向性としては正しい舵取りだと思う。
ところで、ライターの渡邉卓也がPVのために”可愛げゼロなのに辛口”という劇薬打ちまくってるのが傍から見ててすごい恐いんだけど…大丈夫なのかなあれ。
Marvel SNAP
個人的に今年一番の「これは発明だ!」と感激したのがこのタイトル。やっぱベン・ブロードはマジですごい。大尊敬。
1マッチ(ほぼ)3分確定にするための数々の取捨選択と工夫はもちろんのこと、他に見ないほど割合の高いRNG要素によってジャイアントキリングできるチャンスを持たせる設計、マッチ中の「撤退」がポジティブな行為である点など、勝ち負けにシリアスになりすぎない設計・調整の妙に感心しきり。
そして、とにかく優秀なのはアウトゲーム(まだ使い慣れない単語だなこれ)全体のデザイン。
一番感動したのは「基本的にカードを狙って買うことができない」という点。普通だったら新弾リリース=アクティブなプレイヤーが100枚単位で一気にカードを入手するという作りなのに比べて、SNAPでは基本的にカードは1枚ずつランダムかつ1日に1,2枚程度入手できれば良い方、という絞りっぷり。多くの人が指摘しているけれど、これが考えれば考えるほど素晴らしい発明。プレイヤーが持っているカード総数が基本的に少ないのでデッキ構築が簡単で悩むことが少ない。そしてランダム供給故に各プレイヤーの手持ちカードがバラバラ、つまり全員ドラフトでデッキを作っているようなものなので、メタデッキ以外と対戦することが多いので飽きがない。それ以外にも捨てカードが極端に少ないとか供給量が少なくて済むとか、とにかくいろいろあるけど割愛。
その他マネタイズ含めて、アウトゲームのほうに感動したゲームはもしかしたら初めてかもしれない。多分Cygamesとかがまたシレッと拝借してきそうだなってくらい優秀。
以上。
2023年は今年よりもいい年になる…ってことはまず無いんだろうな、と絶望的な気分になりつつ、みんな生き抜くことだけを第一になんとかやっていってくれれば、と思う。
Twitterもどうしようもないし、生活に余裕がでてきたらもう少しここの更新頻度も上げられたらいいな、と言うだけタダなので言っておきます。
来年もよろしくお願いいたします。
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