会社を変えた。
20歳前後の頃から(途中別の会社に行った時期もあったが)足かけ15年以上在籍し、実質開発部のトップまでやらせてもらっていた会社を今年の夏にスパッと辞め、今はまた別の所で、凝りもせずコンソール用ゲームをガリガリ作っている。
最後に作ったタイトルはディレクターとしてなんとか世に出て(SNSを見る限り)高評価、Youtubeなどでもそれなりに人気になっているようで安心した(本数はリリースとほぼ同時に辞めたので何も知らされてない)。
そういうわけで、今年はこの転職にまつわるあれこれや、リモート化した事で労働時間が逆に爆増したこと、さらに新しい現場に元関東チャンピオンがいたことで意図せず始めたポケモンカードゲームに鬼のようにハマってしまい、余暇時間の数%にカード検索とデッキビルドに忙殺され例年以上にビデオゲームを遊ぶ時間が全然作れなかった。そんな中で、今年一年遊んだゲームは以下。いつも通り発売日ではなく今年遊んだもののみ列挙。クロバットVとデデンネGX、ターボパッチがあれば大体なんとかなる気がする。
PC
- STAR WARS Jedi: Fallen Order
- Gears 5
- Hollow Knight
- Dead Cells : The Bad Seed
- World of Warcraft
- Bloodstained: Ritual of the Night
- DOOM Eternal
- Call of Duty: Warzone
- Valorant
- Wizardry 囚われし魂の迷宮
- The Surge 2
- Rimworld 1.2
- Planet Zoo : South America & Australia
- Factorio1.0
- Fall Guys
- Borderlands3 : Season 2
- Star Wars: Squadrons
- Deathmatch404
- 八達
- 通勤発狂
- 銭男
- てっぽマン3
- StoneShard
- Rogue
- The Survivalists
- Cyberpunk 2077
- Vartigo
PS4
- 仁王2
- The Last of Us Part II
- Ghost of Tsushima
Switch
- あつまれ どうぶつの森
- ポケットモンスター シールド (鎧&冠)
- 黄泉ヲ裂ク華
- 風来のシレン5 Plus
- SpongeBob SquarePants: Battle for Bikini Bottom – Rehydrated
Mobile
- アークナイツ
- ミニ四駆 超速グランプリ
- Fallout Shelter Online
- サクラ革命
ちなみに新型コンソールはまったく買えてない。
こう見るとRimworld1.2とFactorio正式版リリースという、色々な意味で恐ろしい一年だったことがわかる。この2作は(面白さ・時間泥棒の二つの意味で)悪魔的な傑作なのだが、それ以外に個人的にメモとして残しておきたいタイトルはこんな感じ。
Ghost of Tsushima
今年を代表する一本、と言っていいほど、評価・売り上げ共に大成功したSucker Punch製アクション。
ゲームメカニクス、ドライブ構造の革新性という点では特筆した何かがあるわけではなく、身も蓋もない言い方をすれば『アサシンクリード』のソレ。ただ、その手堅いメカニクスの上に乗っかっているテーマ(時代劇、元寇)がとにかく新鮮だった。徹底した取材に基づいたリアリティと外連味のバランスも脱帽。
個人的に面白かったのは、この手のジャンルでは難易度的に楽なステルスキルの立ち回りをゲーム内で”良し”としない、キャラクターによっては明確に悪しき行為である、と避難する点。プレイヤーは当然手堅く効率的な攻略を選ぶ所を、一度立ち止まらせ「どう戦うか」自問自答させる体験はすごく新鮮だった。
SpongeBob SquarePants: Battle for Bikini Bottom – Rehydrated
リマスターで初プレイ。
ゲームの構造は2000年代初頭の3Dアクション、というか笑ってしまうくらい『バンジョーとカズーイの大冒険』そのまんまなのだけど、アニメのギャグや時折挟まれる実写切り抜きを使った演出、心停止音&激しいモーションの死亡演出など、久しぶりに素で笑いながら遊んでいた。
比較的即死ゲーのわりにリスタートが遅い、辺り判定が雑など、リマスターといえどベースが古いため粗が目立つが、それを補って余りあるのがアニメ版レギュラー陣による日本語吹き替え。それだけでもう最高。
八達
高知在住、在野の天才ウータ(Ikiki)製2Dプラットフォーマー、現時点の最高傑作。今年の個人的ベスト。
方向キー + 2ボタンという極めてシンプルながらもグラップリング、壁移動、数種類の暗殺、飛び道具の投げ返しなど、状況によって派生する多くのアクションが内包された操作体系。同時にそれらを適切な状況、タイミングで使用することを要求するタイトなレベルデザインはまさに職人の域。
「高難易度・死亡即やり直し」な構成はひもじ村作品の特徴の一つだが、特に今作のレベルは凶悪性と繊細さが同居した凄まじいバランス。暗殺を利用した二段ジャンプ・爆発大ジャンプはもちろん、吊り下げ暗殺後その死体の吊り下げ高度の調整すらクリアのために必須という、悪夢的なまでの要求スキルにプレイヤーは面食らうだろう。
しかし、この恐ろしい難易度が本作では十二分に成立してしまう。その理由は強固かつ圧倒的な手触りの気持ち良さ。各アクションの吸い付くようなレスポンスと手応えはいつもながら天才的。それ故に、ワンミスすら許さない手心やもてなしが一切無い難易度に何度でも挑み続ける事ができる。
このソリッドな完成度は、そこらの商業ゲームが霞んでしまうほど。
なお、タイトルの「八達」とは、高知で作られ、極上の味ながら全国にはほぼ流通しない幻とも言われる梨の名前である。
Deathmatch 404
もう十年以上前、友達と明け方になるまで夜通しBattlefieldやCS1.6をプレイし、だらだらと解散した後に訪れるあの時間を思い出す。なぜだか眠れず、気だるい気分のまま誰もいないdedicatedサーバーに1人残り、ただ目的も無く走り回っている時、急にどこかの誰かがjoinした瞬間の妙な緊張感。
本作は『No Players Online』『Connection Haunted』に影響を強く受けている。前二作ほど複雑なパズルやナラティブは無く、シンプルなマッチングとサーバーログ(の演出)だけを使い、ゾッとする体験をさせてくれるのがすごく良い。
超常現象的なことは最低限。それ故にテクスチャ解像度やポストエフェクト含め、ゲーム経験が長い者ほど、これまでのゲーム体験で”ありそう / かつてあった”状況を想起させるのが絶妙に怖い。
Cyberpunk 2077
Zen3 & RTXのPCを買って臨むつもりがまさかの品薄で買えぬまま、GOG版を購入して中程度のスペックでプレイ中。
大量のバグ(特にデモシーンで顕著)、LoDの不具合、クイックハックが強力すぎるバランスの難、単調なボス戦など、気になる点は多々あれど、目に入るもの全てがワクワクする舞台でオープンワールドRPGを遊べるという多幸感がそれらのマイナスを軽く越える。
もはや誰も夢想しなくなった「経済・技術大国としての日本」を下地に組み立てたサイバーパンク世界。街中を走り回る最高のデザインのクルマ、バイク。倫理が掻き消え、加速しきった資本主義の象徴のような猥雑な広告群。発表から約8年、全てが公称どおり・期待どおりとは言わないが、特別なゲーム体験になったことは間違いない。
その分、CDPRの旧世代機まわりの互換性や発売前の不誠実な行動には落胆した。DRMフリー、プレイヤーの利便性第一を掲げてきたはずではなかったか。
来年こそは彼らがこれまで見せてきた誠実さ、名誉を挽回してくれる事を信じ、本作がより良くなっていってくれることを期待したい。
以上。
来年もゲームは変わらず色々遊ぶと思うが、外に向けても同じように時間を使うことを意識したい。日々より良くなろうと進んでいく価値観や世情、路傍に生きる(生きざるを得ない)人々や物事に対し、ゲーム作りやその他諸々を通じて少しでも楽しんでもらえるような活動をしていければいい。この年齢になって強く思う。
来年もよろしくお願いします。
Staygold, Ponyboy.をもっと見る
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