極私的Game of The Year 2021(休)

地獄のような(マジで)忙しさの一年が終わった。

今年もなんとか携わったゲームが1本発売され、これで直近3年連続でゲームをリリースできたことになる。コンシューマ全振り・AA以上のタイトルでのこの結果は、狙ったわけではないにしても我ながらよくやったと思う。特に今年リリースできた最新作は自分のキャリア史上最大規模のプロジェクトで、いちセクションの担当~気づいたら全体のリードを担当できたのは開発としてももちろんだが、あまり経験の無かった営業・広報周りとの連携の経験も積めて良い経験になった。

しかしこのプロジェクトがウルトラハードコアな炎上プロジェクト、それもここ十年で一番激しい業火のど真ん中で、昼も夜も土日もなくひたすら労働に明け暮れていたら、いつのまにか12月になっていた。そのせいでプライベートの部分は笑っちゃうくらいにズタボロ。たぶん完全オフの休日はトータル20日無かったくらい(ちなみにメンタルは全然余裕でストレスゼロ。ゲーム作るの大好きなので)。そのため自分史上最もゲームを遊ばなかった・遊べなかった今年は、「極私的GoTY」を総括するにはさすがにおこがましいので一旦休みとしたい。

とはいえ遊んだゲームはゼロではないので、自分用のメモ、消えゆく記録の保存として少しだけ感想を書き出すことにする。

“極私的Game of The Year 2021(休)” の続きを読む

極私的Game of The Year 2020

会社を変えた。

20歳前後の頃から(途中別の会社に行った時期もあったが)足かけ15年以上在籍し、実質開発部のトップまでやらせてもらっていた会社を今年の夏にスパッと辞め、今はまた別の所で、凝りもせずコンソール用ゲームをガリガリ作っている。

最後に作ったタイトルはディレクターとしてなんとか世に出て(SNSを見る限り)高評価、Youtubeなどでもそれなりに人気になっているようで安心した(本数はリリースとほぼ同時に辞めたので何も知らされてない)。

そういうわけで、今年はこの転職にまつわるあれこれや、リモート化した事で労働時間が逆に爆増したこと、さらに新しい現場に元関東チャンピオンがいたことで意図せず始めたポケモンカードゲームに鬼のようにハマってしまい、余暇時間の数%にカード検索とデッキビルドに忙殺され例年以上にビデオゲームを遊ぶ時間が全然作れなかった。そんな中で、今年一年遊んだゲームは以下。いつも通り発売日ではなく今年遊んだもののみ列挙。クロバットVとデデンネGX、ターボパッチがあれば大体なんとかなる気がする。

“極私的Game of The Year 2020” の続きを読む

極私的Game of The Year 2019

地べたに這いずり回って泥水をすすり、何度も割を食いまくった去年に比べると、幸い今年はそこまで悪くない。何より開発のリードを担当したタイトルが1本リリースされ、お客さんからの評価も上々、売り上げも想定より大分好調、というのは素直に喜びたい。

業界的には、本格的に導入され始めたサブスクリプションサービスの台頭が印象として特に大きかった。EA Access PremiereとApple Arcade、Xbox Game Passをそれぞれお試しで加入してみたが、お得感も利便性も相当なもの。ここ数年で良いゲームを作るスタジオを怒濤のように傘下に収め、新作を初日からXBPで配信する本気度のMicrosoftは特にすごい。いち開発者として、DLCを含めた追加の少額課金の更なる重要性など、ゲームの「売り方」を考え直さないといけないだろうな、と強く感じた。

今年プレイしたゲームは以下。

“極私的Game of The Year 2019” の続きを読む

お前は償うべきことが多過ぎる – Shadows of Doubt (in progress)

Shadows of Doubt ( ColePowered Games Ltd. TBA)

最近開発中のタイトルを見て「おっ」と思ってもすぐ忘れてしまう己の老化を自覚しているのでメモをする。そう、俺はレナード・シェルビーだ。

先日見かけたColePowerd Gamesが開発中のタイトル『Shadows of Doubt』は完全にシミュレートされた「ネオノワール」な都市を舞台にした探偵ステルスゲーム、との事。

“お前は償うべきことが多過ぎる – Shadows of Doubt (in progress)” の続きを読む

The New-Old Schooler – バイオハザード RE:2

BIOHAZARD RE:2 (Capcom 2019)

Anthem(注:購入は1月下旬)までの「繋ぎ」として軽い気持ちで買ってみたのだけど、さすがメディア・消費者共に高評価なだけあって、思いのほか良くできていて驚く。旧作も遊んでいたんだけど、今作をプレイして、改めてゲームの作りとしてかなり手堅い&効率的なまとめ方に感心する。

前作(?)の『バイオハザード7』の新しい試みだったPOV方式から一転、ここ10年のベーシックなTPS方式に戻し、ベースの『バイオ2』の持つアクション性(主に「逃げ」の要素)に最適化。とはいえシューターに寄りすぎて失敗してきた過去作の同じ轍は踏まない調整も同時に行っているのが上手い。具体的にはゾンビが鬼のように固く、いくらヘッドショットを狙ってもそう簡単に死なない点。旧作にあった、「怯ませる / 誘って体勢をずらして切り抜ける」体験が自由なTPSと両立できているのがすごい。これは基本的にフィールドが狭い・窮屈な事も功を奏していると思う。

“The New-Old Schooler – バイオハザード RE:2” の続きを読む