海外ユーザーのためのSTG入門記事「A Beginner’s Guide to 2D Shooters」が面白い

http://www.racketboy.com/images/shmups-1011.png

元記事:Shmups 101: A Beginner’s Guide to 2D Shooters | RetroGaming with Racketboy

Shoot ‘em up、略してShmup

最近知ったのだけど、海外ではシューティングゲーム(STG)の事をShoot ‘em up、略して”Shmups”と呼ぶらしい。日本で”シューティング”と言えばゼビウスやら首領蜂やら赤い刀やらのソレだけど、海外で”shooter”と呼べばHaloでありColl of DutyでありDoomのソレを指す。日本の一部では非常に活気のあるSTGが、世界的には斜陽にあることが端的に解るひとつの事例だといえる。

で、今や多くのゲーマーがそのジャンル自体に馴染みが無くなって久しい”Shmups”の面白さを、歴史を紐解きながら丁寧に紹介するエントリ「Shmups 101: A Beginner’s Guide to 2D Shooters」が上がっていたので紹介。

原初「Spacewar」、建国の父「ゼビウス」から紐解く歴史

初めてShmupsに触れるプレイヤーのために、このジャンルはどのようにして生まれ、どのように歩み進化してきたのかを著者は丁寧に説明する。僕自身あまりShmupsに詳しくない&あまり英語力に自信がないのでアレだけれども、ジャンルの礎から最近までの歴史をここまで丁寧にまとめた記事は(こと英語圏のテキストでは)珍しい。東亜プランの隆盛からその失速、そこから分家したそれぞれのゲーム(ギガウイング/魔法大作戦/弾銃フィーバロン(!))についてまで掘り下げ、さらにはその後の先鋭化によるマーケットの縮小化、そしてグレフ、マイルストーンらによる復活劇を淡々と、かつ感動的に紹介している。もちろん長健太、ZUNといったインディーの雄に関する言及も。

“Shmups”における重要なセグメント、重要な遊びの要素、Tips and Tricksなどなど。

詳しくは原文を参照のこと。

ジャンルの定義やスコアシステムの基本概要、ゲームとして成り立つ重要な要素、Shmupsをプレイするにあたってのテクニック等、とても細かく的確な解説が並ぶ。これはシューターでも読み応えがある。

ジャンルを深く知るために外せない会社や要素

著者が選ぶ、歴史的に強く影響を与えた/多作なデベロッパーや、深くジャンルを知る上で外せない、(海外では)マイナーだが重要な項目を並べていたのでここでもピックアップ。渋いチョイスから、著者のジャンルに対する愛が垣間見える。

主要なデベロッパー /()内はピックアップされたタイトル
  • カプコン(バルガス)
  • ケイブ(首領蜂/虫姫さま)
  • コンパイル(ザナック/アレスタ)
  • アイレム(R-Type)
  • コナミ(グラディウス/ツインビー(“cute-em-ups”!!))
  • 彩京(ガンバード/ストライカーズ1945)
  • ライジング(バトルガレッガ)
  • セイブ開発(雷電)
  • タイトー(スペースインベーダー/ガンフロンティア/メタルブラック)
  • 上海アリス(東方全シリーズ)
  • テクノソフト(サンダーフォース3/4)
  • 東亜プラン(ゼロウィング)
(海外では)マイナーだが押さえておきたい会社
  • グレフ
  • ハドソン
  • マイルストーン
  • ナムコ(おそらくShmup界においては、という事)
  • 匠(!)
  • トレジャー

日本人のゲーマーも読み応えが十分ある良エントリ

…というわけで、誤訳もあるだろうけど駆け足&荒く摘んだだけでこの量!な、熱気に溢れる元エントリを是非読んでみてもらいたいトコロ。おすすめです。

NDS「Monster Tale」クリア

f:id:deadman:20110626015848p:image

2011.03.22に発売されたNDS用2Dプラットフォーマー「Monster Tale」(日本未発売)をクリア。僕がその選球眼とセンスを個人的に非常に信頼しているゲームブログ「Brainy Gamer」*1でかなり評価されていたので買ってみたけど、確かにこれは面白かった。

ゲームは「メトロイド」や”月下の夜想曲”以降の探索型プラットフォーマーを基本とし、そこにペットの育成/成長要素をプラスした独特の作り。

開発はDreamRift、販売はMajesco。デベロッパのDreamRift社はこれがデビュー作の新進の会社らしい。

上下二画面の使い方

基本となる上画面では、プレイヤーキャラ”Ellie”を操作してマップを探索。下画面はペットの”Chomp”だけが住めるサンクチュアリとなっていて、ペットに与える食べ物、玩具、道具などを解析したり、ペットの体力回復ができる。ペットはいつでも上下の画面を行き来させることが可能で、バトルに参加させたいときは上画面へ呼び出せば、アクションを指示して攻撃できたり、勝手に闘ってくれたりする。ただしペットは上画面に滞在している間、徐々に体力が減少していくため、時々下画面で休息させる必要がある。また、先述したようにペットに与えるアイテムは全て下画面に格納され、それぞれの摂取に一定の時間がかかるため、上下画面への移動マネジメントが必要になる、という作り。

基本ゲームプレイ

探索型プラットフォーマーの持つ難点として、「同じルートを何度も行き来するダルさ、不毛さ」がある。この「Monster Tale」はその不毛さを、ペット育成をプラスすることによって何でもないザコとの繰り返すバトルに一定の意味を持たせる事ができている。いわゆる”お使い”の途中でも、積極的にバトルを挑んでアイテムドロップに期待したり、ペットに闘わせて育成させたり、何かしらのモチベーションは保てている点はとても評価できる。

ペットは樹形図的な分岐で多才に進化。およそトータルで30種以上の進化パターンがあると思う。それぞれの進化パターンには、個別の必殺技が用意されていて、マスターすれば別の進化形態でも使用できるようになる。火<水<木(光・闇)といった属性もあり、敵の行動や属性に合わせた進化パターンと技の構成をビルドしていくとバトルがグッと楽になる。

アクションは非常に骨太。空中コンボによるオーバーキルとコンボによって得られる報酬がどんどん増えて行ったり、ペットの必殺技も多彩なので遊び甲斐はかなりある。そして登場するボスキャラとのバトルはどれもしっかりしたアイデアと構成、演出がなされており、90年代の良質なプラットフォーマーの芳醇な香りすら感じさせる。

また、ドット画は非常に丁寧、アニメーションも多才で小気味良い。BGMもそれぞれのステージに良くマッチしていて、かなりレベルが高かった。

レベルデザインの拙さ目立つ

逆に残念だったのは、探索型プラットフォーマーとしては冗長すぎる点。能力やゲーム進行によって行ける場所が徐々に増えていくのが特徴的なこのジャンルだが、その開通できるポイントとアンロック条件が満たされる場所があまりにも遠い場合が多く、ペットの育成で間を持たせられるとしても、もう少し巧く構成できたはず。

また、アンロック条件としてプレイヤーキャラが覚えていく能力がある地点から完全に水増しになってしまう点も残念。たとえば”チャージショット”を覚えた後に、”ジャンプチャージショット”を覚える、というような物がやや多く、無理矢理小刻みにルートを解放しているように感じた。

モンスターの立ち上がり後1フレームでの反撃など、アクション/バトルの仕様でも細かい点で惜しい、と思える事があった。子供向けにしては少し難易度が高いかも。

…と、惜しい点はそこそこあるけど、ゲーム全体としては十分及第点の佳作だった。特に”手触りのよさ”はかなり高い。DreamRiftの今後は期待したい。

余談だが、ゲームをプレイ中ずっと、ペットの額あたりのデザインを見るたび漫画「うずまき」の黒谷さんを思い出してホホホホしてしまっていたのと、このゲーム最後の最後の大サプライズ「主人公は女の子だった」には本気で鼻水が出たことを付け加えておく。


D

Link

Treepeople「Something Vicious for Tomorrow」

Something Vicious for Tomorrow

Something Vicious for Tomorrow

88-94年に活動していた、Built to spillのダグ・マートッシュと、Stuntmanのメンバーが所属していたことで有名なシアトルのパンクバンドの2枚目。

Treepeopleはヘロヘロなリフとドカドカ重めに刻むビート、人を食ったような展開など、普通のパンクバンドとはちょっと違う風情を持っていて、Built to spill直系(時系列逆だけど)のミドルエモっぽい曲からド直球ハードコアまで、作る曲の幅広さも最高に好きだった。

このアルバムの#1″Liquid Boy”、#7″Funnelhead”は本当に最高な、失神クラスの名曲。

震災以後、普通に暮らしているようでも、やっぱりそんな事はあり得ないわけで、市井の人間の生活レベルで憂鬱になることが本当に多くある。それでも明るい出来事を挙げるならば、あれ以降、僕が住んでいるマンションからは人がボコスカ引っ越して、僕の隣2部屋が空き室になった。そのおかげで、真夜中でも爆音でTreepeopleが聴けるのは本当に最高だ。

“Liquid Boy”


D

“Funnelhead”


D

Indie Game: The Movie Official Trailer

この日記でも何度も取り上げているように、ここ数年(10年かも)、インディーゲーム文化は隆盛の一途を辿っている。古くは超連射68k、洞窟物語といった国内でも有名なタイトルから、World of Goo、最近では未曾有の大ヒット記録更新中のMinecraftなど。個々の規模はメジャー流通タイトルに遠く及ばずとも、意欲的なデザイン、アートワークといった点で素晴らしい価値をもった作品がゴロゴロ生まれている。

そんなインディーゲーム文化とその開発者たちを追ったドキュメンタリーフィルム「Indie Game: The Movie」のトレーラーが公開された。

劇中で主にフォーカスされている人物はインディーゲーム界隈でその名を馳せる天才たち。ウルトラハードコアな2Dプラットフォーマーとしての手触りの面白さとキャラクターの可愛さでヒットした「SuperMeatboy」のEdmund McMillen とTommy Refenes。”時間巻き戻しパズル”の妙とゲーム史上に残る大どんでん返しのエンディングシークエンスで業界内外で最高の評価を得た「Braid」のJonathan Blow。そして2D+3Dの融合と言うべき素晴らしいアイディアと愛くるしいアートワークで今年中のリリースが待ち遠しい「FEZ」のPolytron代表、Phil Fish。

「このゲームが僕のアイデンティティなんだ」「人と繋がりたいからゲームを作ってるんだ」「失うものなんて何もない」。トレーラー中に彼らが口にする言葉を耳にすると、胸が詰まってどうしようもなくなる。

ゲーム作り(に関わらず全ての創作という行為)が行き着くところは、ひどく孤独な道に繋がっている。会社に属し、大規模開発に携わっているとしても、結局のところの”芯”は変わらない。命を削り、自分を極限まで追い込んだ時、やっと満足いく素晴らしいアウトプットができる。それはとても苦しく辛い。折れてしまう人も決して少なくない。

それでも、そんな思いを簡単に吹き飛ばす瞬間がゲーム作りには沢山転がっている。ゲームが完成した喜び。お客さんが遊んで楽しんでくれているのを観た時。画面の中をキャラが動いた時。その一つ一つが何物にも代え難い。そして何よりビデオゲームが好きで好きで堪らない。だから僕はこの短いトレーラーを観ただけで、ひどく胸が苦しくなって、ちょっと泣きそうになってしまった。自分がゲームを作る理由、ゲーム作りを生業にしようと思った理由がこの映画には必ずギッシリ詰まっているはずだ。

なお、この映画は完成に向けて現在鋭意制作中。その制作資金をKickstarter(Indie Game: The Movie – The Final Push by BlinkWorks — Kickstarter)にて募集している。

Link

期待のMOD「CANVAS」

f:id:deadman:20110616022525p:image:w600

現在開発中のHalf-Life 2: episode 2 MOD、「CANVAS」のデビュートレイラーが公開された。

その世界観・アートワーク、音楽のクオリティが素晴らしく、個人的に一発で目を奪われたのでここで紹介したい。


D

公式の紹介文によると、ゲームはシングルプレイ用、サードパーソン視点のアクションADV。主人公の女の子”Milena”を操作し、彼女のぬいぐるみ”Borden”と共に不思議な世界を攻略していく。

Milenaの能力はそれぞれ特別な性能を持った6色の”顔料”を使うこと。さらに顔料は「PROJECTION(放出)」「INJECTION(自身に付与)」「ENVELOPE(周囲を覆う)」といった3パターンの異なる使用法によって効果が変化する模様。この能力を駆使しつつ、パートナーのBordenの助言を受けながら様々なレベルを進んでいくといった感じかな。

リリース日程などは現時点では未定のようだけど、今後の動向に注目したい一本。

MOD「CANVAS」の起動には上記「The Orange Box」収録のHL2:ep2が必要。

Link