極私的Game of The Year 2025

会社組織の中でのディレクター(部長?本部長?よくわからん)的な肩書きになってから1年が過ぎた。仕事というか、忙しさ自体はこれまでと大きく変わらないのだが、その内容が明らかに変わった。
これまではザ・ビデオゲーム開発という感じで、ひたすら作品に向き合いながらのメカニクスのデザイン/チーム内での折衝や意思決定/スケジュール調整/クオリティコントロールといったものだったのだけど、今はと言えば、複数のPJの座組み設計、全メンバーとの週イチ〜月イチの面談、人事・採用、役員との連携みたいな事ばかり。
もちろん開発業務は炎上PJでスポット参戦してヘルプしたり、シニアリードとして管理したりといった事はやっているものの、それがメインでは無くなってしまった。
これは人生のステージとしてはある意味順調、良い事なのかもしれないが、個人的にはうっすらと寂しさを覚える日々。まるで『東京物語』での笠智衆の気分。

と、いつもの日記代わりの近況は置いておいて、今年プレイしたゲームは以下。去年の反省もあり、今年は意識的にゲームのプレイ時間を少しだけ増やした(意識しないと増えない時点でちょっと…という自覚はある)。例によってリリース日は考慮外。

PC

  • DOOM: The Gallery Experience
  • Sonic Galactic
    • ごめんマン
  • ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~
  • Nuclear Blaze
  • The Secret Atelier
  • MONSTER HUNTER WILDS
  • ツーポイントミュージアム
  • ダンジョンクロウラー
  • Juicy Realm
  • Kabuto Park
  • Let’s School
  • No Rest for the Wicked
  • ELDEN RING NIGHTREIGN
  • No Man’s Sky(数年ぶり)
  • ジュラシック・ワールド・エボリューション2
  • Deep Snake
  • 世界魚愛好会:放置ほっこりタイム
  • SteamWorld Dig 2
  • Wheel World
  • Children of Morta
  • Hollow Knight: Silksong
  • しまった!美人に囲まれた!
  • Borderlands 4
  • Gorgons Garden
  • まさか!下宿生が 美女ですって?
  • エスケープ フロム ダッコフ
  • Diggergun
  • ARC Raiders
  • BALL x PIT
  • Dispatch
  • Ruadine

Switch/ Switch2

  • マリオカートワールド
  • ポケットモンスター Z-A

Xbox

  • オクトパストラベラー2
  • Diablo4 憎悪の器(買い直し)
  • Doom: The Dark Ages
  • RAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚
  • Citizen Sleeper (JP)
  • Citizen Sleeper 2

Mobile

  • ポケモンフレンズ
  • SDガンダム GGENERATION ETERNAL

抜けがあるかもしれないがこんな感じ。
基本的にライブゲームが当たり前になったここ数年、同じゲームを延々プレイするのが精神衛生的にもハードル的にも気楽ではあるのだが、思い返して一言書いておきたい、記録に残しておきたい新規プレイの作品は以下。


Pokémon LEGENDS Z-A

カメテテとコーヒーを飲む自機。
2025 Pokémon.

変える/変えないの取捨選択と、遊び・コンセプトの一本化という点で非常に上手くいった前作『アルセウス』と比べても、かなり踏み込んだな、というのがリリース前動画の所感だった。
ポケモンバトルのメカニクスの本質は、プロレスのように「いかに受けるか」の駆け引きだと常々思っている自分としては、「避ける」「当てる」「手数・回転率が技によって異なる」というバトルが成立するのか?と興味津々でプレイしたのだが…。
結論、正直成立はしていませんでした。マルチプレイ可能なお祭りゲームとしてはもちろん楽しいし、使える・使えない技の構築はある程度できるレベルにはなっているものの、基本的には、いわゆるブッパゲー。レベルでねじ伏せる/ねじ伏せられる大味タイトルになってしまっていたのが悲しいところ。
一方、ミアレシティに絞った構成、縦方向に広がりのあるマップは素直に面白いと思った。そしてメガシンカにはやはりロマンがある。テラスタルは特殊ルールの完成形だと思うが、その次に楽しいギミックだな、と改めて。
しかしM次元ラッシュは擁護のしようがありません。

公式サイト

DOOM: The Gallery Experience

2025 SCUM DOG

パッと見、初代DOOMのE1M1を使った、現実世界のいけ好かないギャラリーのオープニングパーティを茶化しただけのゲームに思えるが、狙ったか狙わずか、その批評性は1995年に発表されたアート作品『ArsDOOM』を想起させる。
『ArsDOOM』は芸術家がゲーム側にアプローチしたインタラクティブアートだった(と記憶している)が、こちらはゲーム開発者がアートを茶化しつつも、ギャラリーでの芸術鑑賞・馬鹿げた時間の過ごし方をシミュレートしたという点がとても興味深かった。
本作は並べられているオブジェクトにインタラクトすると、メトロポリタン美術館の該当作品ページへと飛ばされる。その点も、親切心からなのか皮肉なのか曖昧なところが良い。
ただ一点、気になるのは、本作が(wadとかじゃなくて)スタンドアロン起動可能なexeでもリリースされているのだけど、それって大丈夫なんだっけ?というところ。基本的には、web上でのプレイを推奨。(別のエンジン上でクローンを再現している?)

公式サイト

まさか!下宿生が 美女ですって?

2024 Storytaco

アクション性を要求しないタイプのADV、かつグラフィックやライティングの表現がリアル志向に突き詰めるのであれば、もう実写撮影してしまうのが「ゴール」なのでは?と言いたいかのように、この2、3年で東アジア圏を中心に、現在でも怒濤のリリースラッシュが続いているFMV(フルモーションビデオ)ジャンル。
今年のエクストラクションシューターよろしく、さすがにここまで市民権を得ているならということで複数タイトルをいろいろプレイ。
中でもこのタイトルは比較的後発?かつ、まだそこまで多くない韓国製(大体中国圏が多い)。
個人的に韓国の文化は好きなのである程度知っているつもりだったが、漢江でインスタントラーメンを作って野外で食べるのがデートの定番?とか、サシ飲みのあとで下心ありの誘い文句が「家で一緒にラーメン食べない?」とか、知らなかったカルチャーに感心しきり。
また後発タイトルならではの「痒いところに手が届くUI」など、リプレイ性の高さもポイント。
そしてゲーム本編とは関係ないけど、何より感心したのは、清楚っぽさを売りにしているキャスト(どうも彼女たちの本職?は各種インフルエンサーらしい)でも余裕でタトゥーを入れまくっているという点。周りに左右されず、本人達が自分の身体に主体性を持っているという所がとても良いなと思った。
他にも言及したいことは色々あるが、自分が言いたいことの全てはSteamのこのレビューが完璧に伝えてくれているので、そちらに譲ろう。

Kabuto Park

2025 Doot Tiny Games

オリジナルな要素は正直なにもないが、やっていて楽しい遊びだけが詰まった、旨味が凝縮された嬉しい逸品。
カブクワだけでなく、カマキリや蝶、トンボなども混じって戦うデッキ構築バトルはシンプルだけれど、想像以上に興奮する(何だかんだいって怪獣バトルロイヤル大好物なもんで)。
少ない色数・アウトラインなしのスタイルで描かれたアートも良い。特にバイユーのグラフィックが秀逸なので一見の価値あり。
時間がないと、こういうソリッドでシンプルなタイトルが本当にありがたい。

公式サイト

ARC Raiders

2025 Embark Studios

TPS、準備不要で出発できる仕組み、ブルータリズム様式+60年代VFX風アートワークのクールさなど、とっつきやすさとかっこよさが両立した丁寧な作りが功を奏したのか、「エクストラクションシューター」の中でも特出してバカ売れした一本。
オリジナルのものすごい発明があるわけではないが、適度な難易度のバランス、自機の高い機動性と前述した良質なアートスタイル、そして何より動作が軽いという点が配信向けとして上手くマッチした結果、ここまでヒットしたのだろうなという印象。
しかし…誰がここまで売れることを予想できただろうか、ってことを考えると、ゲーム開発でたまにある「マスターアップしたけど売れる見込みがないから発売キャンセル」は本当にどうなんだ?と改めて思う。広告費ゼロでも、デジタルプラットフォーム配信だったら別に出すだけ出せば良いだろうに(過去のアレコレを思い出しながらの愚痴)。

Dispatch

前述のFMVと似て非なるアプローチ、「インタラクティブ性よりもシナリオ・演出の品質」一本(と書くと失礼かもしれないが)で大傑作となってしまったのが本作。
もちろん元Telltaleのメンバーの過去作同様、各種選択肢が大きく物語に影響を与えるのだが、元はNetflixのインタラクティブ番組(バンダースナッチとかジュラシック・ワールドのアレとかと同じ)向けに企画されていたらしく、その関係もあり、基本的には映像を観ている時間のほうが圧倒的に長い。
しかしそのドラマパートの質が恐ろしく高く、ただ観ているだけなのに面白すぎて、手持ち無沙汰に感じることが一切無い。
全てを失った元ヒーローを演じるアーロン・ポールの演技はもちろんだが、冗長なテキストがほぼ無い、洗練されたキャラクター同士の掛け合いに引き込まれる。
販売は一括だが、配信は全4エピソードを毎週アンロックしていくという珍しい形式なのも、恐らくドラマとSNSの親和性を意識したものだと思われるが、普段、評判をSNSで判断することが一切無い自分にとっては、ちょっと迷惑なだけだなと思ったのが正直なところではある。
とはいえ、今年最も感情を揺さぶられたゲームなのには間違いない。
小島監督が嫉妬すべきは、『Clair Obscur: Expedition 33』ではなく、こっちだったんじゃないだろうか、と思わなくもない。


他に思いつくのは『DOOM: The Dark Ages』『Ruadine』『Citizen Sleeper 2』『BALL x PIT』など。
『DOOM: The Dark Ages』は武器デザインとギミックは最高だったが、弾幕回避の比重が高く、アドレナリンの高いフロー状態から定期的に覚めさせられるようなシーケンスが発生してしまうのが残念。
『Hollow Knight: Silksong』はバランス調整アップデートがある程度落ち着いてから再開します。


以下ゲームとは全然関係ないけど一応メモ。
音楽的には個人的な年間ベストは二作。イルリメ『Bittersweetness』とOklou『Choke Enough』。イルリメがストレートなサンプリングをしたらその曲は勝ち確と言われているが、今回もその期待は裏切らなかった。

以上。
どうせ今年に引き続き、2026年も国内外で地獄みたいな出来事ばかりが続いていくんだろうけど、自分も出来る所で抵抗していきます。
来年もよろしくお願いいたします。


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