LuftRausers (Vlambeer 2014: PC)
30歳を過ぎ、どこかで誰かが言っていた言葉を最近よく思い出す。
「俺たちは一体、死ぬまでに「待つ」時間をどれだけ過ごすことになるんだろう」
信号待ちはもちろん、注文した食事が運ばれるまでの時間。エロ動画をDL中のプログレスバーを見つめている時間。映画のスキップできないロゴ表示。ホテルで一人、嬢がチャイムを鳴らすのを待つ時間。
そして、ゲームを起動し、ブラウザを開き、低ping,空き人数ありのサーバーを見つけ、joinし、マップデータのロードをし、ゲームを開始するまでの時間。
この間、手元のタブレットでマンガを読んだり、飾られたアクションフィギュアをいじくって時間を潰す。
俺たちは遠くに来てしまった。100円をぶっ込んだら即、自分の世界に入り込めたかつての時代から。
『LUFTRAUSERS』。
このゲームには「何かを待つ」「別の何かを強いられる」という要素は一切無い。起動してからESCキーを押すまでの間、頭の先からしっぽの先まで「純粋なゲーム体験」だけがギッチギチに詰まっている。
敵とのヒリヒリするバトルがしたくて遊んでるのに、クソの足しにもならないカットシーンを見させられる事も、”無料で遊べちまう”ためのエネルギーが溜まるのを待つようなことも無い。
覚えるルールも一瞬で把握できる。↑キーでアクセル、←→キーで姿勢制御、Aボタンでショット。接触するとダメージを受けるが、敵機にも攻撃判定が発生する。自機のダメージはショット中でなければ自動回復。敵機を連続撃破でスコアボーナスが最大20倍までつく。これだけだ。
あとはただひたすら、飛んで、弾をぶっ放し、特攻し、生き残りながら、熱病のようにハイスコアの夢を見続ける。
時間とともに激しくなっていく敵の数・種類・弾幕。バスバス撃墜させていくたびにカウントアップされるコンボ倍率。1倍、10倍、20倍、アドレナリンに同期するかのように加速するスコアカウント。仮に死んでも即座にリスタートすればいい。瞬き一回、次の瞬間にはまた出撃できているクイックさ。極端に癖のある操作系は、1プレイのたびに成長を強烈に感じさせる。
自分のハイスコアと、リーダーボードに並ぶ他プレイヤーのスコア。その数字の隔たりから生まれる己の闘争心だけを燃料に、眠い目を擦りながらゲームに挑む日々がまたやってきたのだ。起動してから終わるまでずっと体験は純粋かつピーク。『LUFTRAUSERS』のその暴力的なまでの純粋さに、俺はかつての川島和津実が放っていた輝きを憶えている。
– http://luftrausers.com/ (公式)
– http://store.steampowered.com/app/233150/ (Steam Store)
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