ミニマムかつミニマル – 「Hack, Slash, Loot」

Hack, Slash, Loot (OddballDave 2011)

最近ずっと考えていることがある。ある種の人々が精神を落ち着かせる目的で寝る前に聖書を読むのと同じように、高ぶった気分を落ち着かせるためにビデオゲームを遊ぶ、という事ができたらいい。そんなビデオゲームがあるべきなんじゃないか、と。そのために直感で入力が行えるクイックな操作体系と、思考よりも反射でこなせるゲーム、例えば初期Wizardryのような作品がもっと必要なんじゃないかと常々思っている。

という事を考えていると無性にシンプルな反復系ゲームが遊びたくなって遊んだのがこの「Hack, Slash, Loot」。

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雨の街を – 「Gemini Rue」

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ゲーム会社「Wadjet Eye Games」の名を知っているだろうか。DaveとJanetのGilbert夫妻、従業員がこの夫婦二人だけの小さい会社ながら、2006年に設立されて以来、小規模だが良質なADVを作り続けている。その作風や夫婦でゲームを作っていることから、現代のSierra Entertainmentと評される*1気鋭の会社だ。

最近遊んでいるのは、そのWadjet Eye Gamesがディストロした「Gemini Rue」(2011/PC)。

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全てのオールドスクーラーに捧ぐ – 「Heaven Variant」

かつてシューティングゲームを愛していた者、今でも愛する者、まずは下の動画を観てほしい。

これを観たとき、思いっきり笑ったのと同時に、ちょっと泣いてしまった。

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IGF 2012ファイナリスト発表

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参照:The 14th Annual Independent Games Festival

今年のThe Independent Games Festival (IGF)のファイナリストが確定。それぞれの部門のノミネートと、個人的に気になったゲームのトレーラーをメモ的にピックアップしたい。

Excellence In Visual Art部門

  • Botanicula (Amanita Design)
  • Dear Esther (thechineseroom)
  • Lume (State Of Play Games)
  • Mirage (Mario von Rickenbach)
  • Wonderputt (Damp Gnat)

ある意味一番インディーらしさが出る部門かも。MachinariumのAmanita Designの新作「Botanicula」あたりが有名かな?個人的には、カービィボウル・ミーツ・テリー・ギリアムなFlashゲーム「Wonderputt」が超オススメ。「Dear Esther」は元はHalf-Life 2のMod。


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Technical Excellence部門

  • Antichamber (Demruth)
  • Fez (Polytron)
  • Prom Week (Expressive Intelligence Studio, UC Santa Cruz)
  • Realm of the Mad God (Wild Shadow Studios & Spry Fox)
  • Spelunky (Mossmouth)

言わずもがななメジャータイトル「FEZ」の全方向に高水準な実装と、「Spelunky」の絶妙なプロシージャルレベル生成はすごい。他のタイトルについては未プレイなのでなんとも。


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Excellence In Design

  • Atom Zombie Smasher (Blendo Games)
  • English Country Tune (Stephen Lavelle)
  • Frozen Synapse (Mode 7 Games)
  • Gunpoint (Tom Francis, John Roberts and Fabian van Dommelen)
  • Spelunky (Mossmouth)

純粋なゲームデザインの良さで評価するこの部門。遊んだことのあるタイトルは「Atom Zombie Smasher」「Frozen Synapse」「Spelunky」。独特のプレイフィールの「Frozen Synapse」は既に去年、いくつかのメディアのGoTYタイトルを獲っているほどの実力派。個人的には、未リリースゆえに遊べていないけど、シャレオツピクセルグラフィックの「Gunpoint」がずっと気になってる。


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Excellence In Audio部門

  • Botanicula (Amanita Design)
  • Dear Esther (thechineseroom)
  • Pugs Luv Beats (Lucky Frame)
  • To The Moon (Freebird Games)
  • Waking Mars (Tiger Style)

情報が特に見当たらないけど、Amanitaの「Botanicula」は今回もTomas Dvorak氏がコンポーザーなんだろうか。僕はDvorak氏の大ファンなので、だとしたら大期待。ただ、「Botanicula」含め、チルウェイブ/アンビエント風な曲が目立つ。このあたりは去年/今年らしいといえばらしいかな。

2012/01/13追記

「Botanicula」のコンポーザは、同郷(チェコ)の二人組バンド、DVAとのこと。id:exp777さん情報ありがとうございます!このDVAというバンド、何語でもない独自の言語でボーカルを歌わせたり、環境音、食器の割れる音、缶および瓶の衝突音を多用したりと、実験的な作風で知られているみたい。DVAのbandcampサイトはこちら


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Best Mobile Game部門

  • ASYNC Corp (Powerhead Games)
  • Beat Sneak Bandit (Simogo)
  • Faraway (Steph Thirion)
  • Ridiculous Fishing (Vlambeer)
  • Waking Mars (Tiger Style)

秋に出すはずだった「Faraway」はいつ出ますか。

 

Nuovo Award

  • At a Distance (Terry Cavanagh)
  • Dear Esther (thechineseroom)
  • Fingle (Game Oven Studios)
  • GIRP (Bennett Foddy)
  • Proteus (Ed Key and David Kanaga)
  • Johann Sebastian Joust (Die Gute Fabrik)
  • Storyteller (Daniel Benmergui)
  • Way (CoCo & Co.)

アブストラクト、ショートに遊べる、および独創的なタイトルを表彰するNuovo Awardは、例によってキワモノ揃い。とはいいつつ、iPadで遊ぶ「Fingle」はルールが明快、みんなで楽しい、バーでのナンパに使えそうなシンプルな一品。

 

という感じで

正直、ここ1年は猫も杓子もバカもインディーインディーうるさい昨今だけど、作り手のイマジネーションはまだまだ枯れない感じが良い。まずは(おそらく)もうすぐリリースのFEZ、3月にリリース予定のGunpoint、そして上記にはないけれど1/17にリリース予定のDustForceに期待してます。