Knight Of Diggin – 『Shovel Knight』

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Shovel Knight (Yacht Club Games: 2014)

 

このアルバムのトラックの殆どは、今はもうオーナーが亡くなったことにより閉鎖されてしまった彼の行きつけのレコード屋の地下室(映画「SCRATCH THE MOVIE」に出てくる)にある、埃まみれの50万枚以上の中古レコードの山から丹念にネタを選び出し、掘り出し物のサンプルを何層にも重ねて編集されて作られたものである。 (wikipedia)

 

『Shovel Knight』クリア。2014年に遊んだ中で最高の一本だった。

ロックマン/マリオ3/悪魔城ドラキュラ、その他80年代に生まれた大量の遺産。それらを掘り出し、発明やギミック、プレイフィール、メカニクスその他全てをサンプリングし、組み替え、そこにモダンなゲームメカニクスを少々、そして何より、凄まじい熱量の愛を注ぎ込む。そうして出来たのがこのゲームだ。

このゲームのレベルデザインは、冗長さが気になるステージはあるが、本業(一応ここ3,4年ずっとリードレベルデザイナーをしている)の僕から見ても非常に巧みで、平均して高いクオリティを保っている。

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氷山ステージでの「氷床 + アルファ」で組み込まれた、ジャンプアクションを要求するデザイン。飛空挺ステージでの大ネタ「重力変化」。機械城ステージの「ベルトコンベア + トゲ」のギミック構成。敵を踏みつけて大ジャンプをすることで行ける隠しルート。

それぞれのステージギミックを体験している中でフラッシュバックするサンプリング元。とその体験の鮮明な記憶。純粋なノスタルジーとはまた違う、不思議な感動がそこにはある。

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この『Shovel Knight』はどんなゲーマーが遊んでも楽しめるアクションに仕上がっている。しかし特定のバックボーンを持った人間が遊んだならば、その楽しさは爆発する。

「このオルガンはジョルジオ・モロダーだ、この声ネタはMutual slumpだ、この印象的なピアノはDavid Axelrodの”The Human Abstract”だ」、のように、僕達はこのゲームを遊ぶたび、メタルマンに、時計塔に、クッパの飛行船に思いを馳せる。

 

ショベルを武器に地面を掘り、敵を掘って戦う主人公・ショベルナイトと、”King of Diggin”の名を持つDJ Shadow。

 

そう。この『Shovel Knight』は、ビデオゲーム界の『Endtroducing…』だ。

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