Day Z (Dean “Rocket” Hall 2012)
世間がDiablo 3のリリースを目前にして色めき立っているこの頃、ArmA 2 modから突如として現れた新星「Day Z」がものすごく面白い。
このDay Zは、ゾンビが跋扈する世界を舞台に、限られた水と食料を確保しながらひたすら生き残るマルチプレイヤーmodだ。プレイヤーは食料(豆やパスタ)の詰まった缶と小さな水筒、そしてハンドガンを手に入れた状態で世界に飛び降りる。あとは何をするのも自由。ひたすら世界を探索するもよし、他のプレイヤーを探して歩くもよし、BanditとしてPKにいそしむもよし。ただし、このDay Zでは、ただ生きるだけで水と食料が必要になるため、それぞれを確保するために廃村の捜索やゾンビや死体からのスカベンジ、そして時には他のプレイヤーを「殺してでもうばいとる」必要に迫られる。
そのため、だだっ広く閑散とした死の世界でありながら、プレイヤー間の干渉がよく起こる。食料が底を尽き、3日ぶりに降りる廃村から聞こえる銃声。大工場とその周りに栄える街中ではPCが食料や水、ammoを求め常にうろつく。そして同様にBanditもその獲物を狩るために集まる。これまで僕達が観てきたゾンビ映画の鉄則「大都市は危険」「街中は死亡フラグだらけ」がまさに自然な形でこのDay Zには横たわる。
誰もいない死の世界を何十分もただひたすら歩き、視界に現れる人影。それは味方となるPCか、ゾンビか、または最悪のBanditなのか。長い静の時間と突然起こる驚異のバランス、不穏なインダストリアルBGMとArmA modであるが故に響くゲームそのもののリアリティ。Dawn of The Dead、Walking Deadを愛する僕たちが焦がれた、あの世界の全てがここにある。
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