- 作者: タイム涼介
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2007/08/25
- メディア: コミック
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初めて本を発売日に買った。一年以上も待ち焦がれていた「あしたの弱音」の単行本。*1
単行本上でも語られているが、当初4ページのギャグマンガとして始まった本作。序盤は下ネタ全開のスラップスティックな学園ギャグとして展開。しかしある時から、作品としての性質が大きく変わっていく。それこそ中学生が成長するように、同じくしてこのマンガも急激に成長していく。
主人公「駄目元弱音」はヤンキー中学生。悶々とした学生生活を送りながら、日々屋上で思いをめぐらす。野菜を作りながら。
弱音はある理由から家を持たず、中学校を己の家とし、屋上で野菜を作り独り暮らしている。弱音には何も無い。家も無い。金も無い。女も居ない。鉄パイプはある。それでも弱音は現実と真正面を向き、生を謳歌する。
「将来っていつからが将来?」「孤独が痛いのは何故だろう」「幸せはいくらだろう」答えのない問いを繰り返していた弱音が、自分の進路を決め、農業高校に願書を出しにいくシーンは何度読んでも泣きそうになる。その願書に書かれている文と“願書”そのものの素晴らしさといったら!!
悲しいかなこの単行本には、ギャグ編ともいえる前半パートはバッサリ未収録だが、それでも、僕にとってこの本は経典となりうる強度がある。
「ジョジョの奇妙な冒険」「ワガランナァー」、そしてこの「あしたの弱音」。これらの作品を読んだ後、僕はたまらなく大声で叫びたくなる言葉がある。
『生きてるって最高!!!!』
*1:もちろん「アベックパンチ」も買った
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