Comic baton

 というものがid:ybmelonさんからパスを受けました。最近イロイロと流行ってますが、今回のネタがマンガってことで、楽しく答えてみようと思います。

 ただ、今、仕事がおっそろしく忙しいため、複数日にわけてチマチマと書こうかな。

○1.Total volume of comic on my Bookshelf(本棚に入ってる漫画単行本の冊数)

 今、部屋の中の本棚全てざっと目検索してみたところ、たぶん200冊くらい?最近は集英社が出すスーパー再収入工場『完全版』シリーズでドラゴンボールとスラムダンクを買って瞬間的に所持している数が増えました。

 ただ僕は、なぜかマンガはすぐ捨てる&捨てられるクセがあるので、比較的新しめ・超お気に入りだけが残る感じです。

○2.Comic thought to be interesting now(今面白い漫画)

 これが実は結構難しい。僕は今、しっかり毎月/毎週購入しているマンガ誌が「週刊/月刊ジャンプ」「週刊少年サンデー」「月刊マガジン」「月刊チャンピオン」「月刊コミックビーム」と、玉石混合率が異常に高い雑誌ばかり購入しているので、「今面白い!!」と言えるマンガといえば…。

山川直人「コーヒーもう一杯」

 これでしょうか。山川直人先生といえば、全身全霊を込めたカケアミから感じる誠実さが大好きなんですが、作品そのものも個人的に大好き!毎月コーヒーにまつわる”味わい深い”お話が楽しいです。最近第一巻が発売になったのですが、本屋にまったく行けてません。

 コーヒーといえば、会社のすぐちかくに「パウルコーヒー」というその道では非常に有名(らしい)コーヒー屋さんがあって、毎朝マスターが豆と会話をしている様を見かけてはこのマンガを思い出すわけです。

○3.The last comic I bought(最後に買った漫画)

バジリスク?甲賀忍法帖?(5) <完> (ヤンマガKC)

バジリスク?甲賀忍法帖?(5) <完> (ヤンマガKC)

 家の本棚にあった山田風太郎をつい先日読み直して、衝動的に買い揃えました。せがわまさき先生の描く女性は艶があって魅力的。こういうのって、マンガ家としてはすごい大事だし、すごい武器だよなあ。

○4.Five comic I read to a lot, or that mean a lot to me(よく読む、または特別な思い入れのある5つの漫画)

ワガランナァー (ビームコミックス)

ワガランナァー (ビームコミックス)

 今や『恋の門』で一躍メジャー作家となった羽生生純先生の作品のなかでも、個人的に最強だと信じてやまない一品。

 「テーサン」「ヨメン」「一人旅」という名の謎のルンペン三人組となし崩し的に同じ立場で生きることを余儀なくされた女「イッキュ」が繰り広げる、ほんの少しだけ泣けて死ぬほど笑える大傑作。

 法や理性、既存の概念全てから解き放たれたマンガ史上最高の(本気で)狂った自由人ライフはとにかく読んでいて楽しい。毎日をもう信じられないくらい楽しく生きているこの4人(イッキュはアレだけど)がメチャクチャ輝いて見える。

 『セカチュー』やら『いま会い』やら、個人的には「はぁ?」って感じだけど、この『ワガランナァ-』ならばこの言葉を、それこそ世界の中心で大声を張り上げて心の底から言っていいんだよ。

『生きてるって最高!!!!!』

ドラゴンボール 完全版 (1)   ジャンプコミックス

ドラゴンボール 完全版 (1) ジャンプコミックス

 そして次はコレ。誰しもがスカウターに憧れ、かめはめ波の練習をし、全身に力を込めては「はぁぁぁぁぁ!」と叫ばせた、70後半~80年代中盤生まれの僕らにとっての大教典!マンガそのものに対する評価というのはあまり高くはないけど、(バトルマンガインフレの極北だとか、内容が薄いだとか…)マンガを語る上では絶対にはずせない。

 とにもかくにも、鳥山先生のプロダクトデザインがいちいちカッコよくて、物凄い求心力を持っている。戦闘服や一人乗り用宇宙船、スカウターのデザインは手放しでメチャクチャカッコいいし、「敵の強さを数字で表す」機能なんて、ワクワクしない奴がいるのか?ってくらいグッとくる。また、バトルにおける空間の使い方がもう独創的で、空中と地上(そして時には地中)を縦横無尽に駆け巡るバトルシーンの臨場感は未だに最高峰。「バキッバキッ」だけで10ページ続いても飽きないし、読み込むほどに面白さがにじみ出てくる。個人的にはクリリンのゲーム(バトル)メイクがテクニカルで大好き。

 いまや鳥山先生は第一線から退き、全盛期のエッジの効いた好戦的な絵柄も失われてしまいましたが、それでも僕は鳥山明の新ステージを期待せずにはいられないわけです。

 ちなみに、僕が作品中で最も好きなワザは、クリリンの「拡散エネルギー波」*1です。

 ところで、エネルギー波とエネルギー弾の違いとか、ミスターポポの戦闘力とか、未だに友達と会うたびに30分は話し込んだりしてます。

The World Is Mine 1 (ヤングサンデーコミックス)

The World Is Mine 1 (ヤングサンデーコミックス)

 「愛しのアイリーン」「宮本から君へ」など、新井英樹先生の描くマンガはどれももの凄い筆力と情念に満ちててもの凄いんだけど、その中でも特に衝撃を受けたのがこの「ザ・ワールド・イズ・マイン」。

 純度100%、暴力性の塊のようで、かつ凄まじいカリスマ性を併せ持つ謎の男「モン」と、平凡な人間ながら、”爆弾”という自信を手にしてモンと共に旅を続ける「トシ」の殺戮友情(?)ロードムービー。

 旅を続けていく内に変化する「トシ」の精神構造や風貌に、僕はもの凄い畏怖と興奮を覚えてました。理性のカラがペリペリとはがれて、芯にある暴力性が徐々に見えてくると、モンのそれとは別モノの凶悪性がトシも持っている事に気付かされます。そしてその凶悪性は所謂「普通の人」の持つそれとまったく同様のものであることに気付かされます。

 そしてなにより、自然の力そのものを具体化したような巨獣「ヒグマドン」の”存在”がすごい。

 ちなみに僕は断然「トシ」派です。

…あとは時間があるときにでも書きます。メンゴ!

参考Link:◇山川直人ホームページ

*1:「みんな どいてろーっ!!」"ズオッ"

「青い空の日」が読みたい

 今週号のスペリオールの漫画賞の大賞受賞作「青い空の日」がメチャクチャ読みたい。当然僕はそのページに載っていたあらすじと審査員評しか知らないけど、その中でかわぐちかいじ先生の評に載っていた作中の歌詞”自分を制御できない人間はバカだけど、自分を抑えることしか出来ない僕はもっとバカだ”ってのに打ちのめされた。

 とりあえず、IKKIで掲載される予定だそうなので、これからしばらくはIKKIを注意しておこう。

あすなひろし「いつも春のよう」

いつも春のよう―Hiroshi Asuna memorial edition (Beam comix)

いつも春のよう―Hiroshi Asuna memorial edition (Beam comix)

 何度読んでも味が出ます。あすなひろしの漫画は大好きなんですが、いかんせん入手が難しく、そもそも単行本化できていない作品も100を超えるといいます。

 で、これが良いタイミングで単行本化されて、さっそく飛びついて買ったわけです。

 あすなひろしについては、【弥生土器】にてのらりくらりと書いてみたので、ヒマでしたらどうぞ。

—-

 弥生土器web

安達哲「さくらの唄」上下巻

さくらの唄(上) (講談社漫画文庫)

さくらの唄(上) (講談社漫画文庫)

 これほどまでに赤裸々で、不穏で、心を抉られる作品は読んだことがない。

 読中の感覚や1ページ1ページをめくる時の恐怖などは『シガテラ』に通ずるものはある。しかし、この漫画の不思議なところは、『シガテラ』と違い、『さくらの唄』の主人公である市ノ瀬の住む世界があまりにも僕達読者と乖離しているにもかかわらず、恐ろしく”リアル”な所にある。市ノ瀬を取り巻く環境は、物語の中盤から加速度的に凄まじいものになっていくのだけど、彼の人間性、精神性がどんどん読者の心に入り込んでくる感じがする。それはおそらく、荒唐無稽な環境で囲まれてこそあれ、市ノ瀬のとる行動や考える全てが、僕ら自身がどこかに持つ感情に近いからに他ならない。 

 僕が”青春”時代にこれを読んでいたならば、一体どうなっていただろう?

「水のともだちカッパーマン」徳弘正也

 近所の古本屋で1冊100円(全3巻)で売っていたので購入。

 徳弘先生の描くマンガでいつも僕がゾクゾクするのは肉体面・精神面での残酷描写と適度に(時に過剰に)挿入されるギャグ、そしてなにより、非常に魅力的な登場人物の笑顔。どんなに追い詰められていても絶対に屈しないキャラクターたちは荒木飛呂彦先生の描くマンガに通ずるものがあるし、そして血と涙でドロドロになりながらも描かれる笑顔(いくつもあるが、例えば魔物を封印するときのじいちゃんの表情)は本当に素晴らしいです。下ネタばかりが目立つ漫画家ですが、「もっと評価されて良いのになぁ」とよく思います。*1

 ところで、徳弘先生の漫画といえば、僕にとっては「ターちゃん」がやはり最も思い出深いです。当時のジャンプは問答無用に面白かった。例えるならば「ピンポン」と「編集王」が載っていた時のスピリッツ。

*1:と思ったら、しっかり「狂四郎」は評価されてましたね。失礼しました。