遊星からの物体X

ジョン・カーペンター監督作。外見ではまったく判断できない異形の怪物が仲間内に侵入してくる恐怖と疑心暗鬼、そして吹雪で隔絶された南極基地という閉鎖空間。密室パニックものとしてだけではなく、クリーチャーデザインや擬態する生物という設定は後世の創作物に多大な影響を与えた、言うまでもない傑作。

冒頭、かわいい犬を執拗に殺そうとする、どう見ても気が狂ったとしか思えないノルウェー人二人が、話が進むにつれ、主人公達同様に勇気と覚悟でもって怪物と対峙し、後一歩まで追い詰めた英雄だった、と知らされる構成には感心した。

また、南極という一面真っ白な世界、そしてそこに建てられた無骨な観測基地だけの舞台と、体液と触手にまみれた過剰なまでの「生き物」の強烈なコントラストが産む強烈な映像。

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どこをとっても名場面。チュミミーン

「空飛ぶモンティ・パイソン」“日本語吹替復活”DVD BOX

予約していた神具がついに到着。実家にあるVHS版もテープが伸びに伸びてしまっていたので、ここに来てのDVD化は本当に助かった!しかも128ページのブックレットつき。これはアツい。

よくビデオゲームの開発者が業界を志す人に言う台詞に「ゲームばかりやらないで外でいろんな体験をしろ」ってことを良く言うが、そのたびに僕はアホか、と思う。ゲームを作ってるヤツがそんな事を言うってことは、自分の仕事を全否定してる事と同義じゃねーか、と*1

僕も言わせてもらうが、そういう事を抜かすクリエイター(笑)のゲームには背を向けていい。そして外に行くヒマがあるなら、家に籠もって、良質なゲームを沢山遊んで、パイソンズを沢山観ていた方がいい。

*1:この件については色々言いたいことはあるけど、ものすごく長くなりそうなので割愛

ディーノ・ブッツァーティ「石の幻影」

石の幻影―短編集

石の幻影―短編集

実はブッツァーティの作品を読むのは初めてだったのだけど、表題作以外はひとつひとつがかなり短くて、make中にちょくちょく読んでたら2日で読み終えてしまった。

ところで最近、「Bibuly」*1というサービスを利用している。文庫と技術書が1対1で交換できてしまうような、どう考えても対価に見合わない取引が発生しやすいなどの問題点はあるけど、今のところ、まあまあ面白い交換ができていて、それなりに利用価値を感じてはいる。

実際、この交換で10年ぶりくらいにライトノベル?*2を入手して読んだ。なかなか面白かったな。

*1:ユーザー同士がいらない本を交換するサービス

*2:有川浩「塩の街」ってやつ。