ハック・スラッシュ・サンサーラ – 「メタルマックス2:リローデッド」(クリア)

メタルマックス2:リローデッド (ENTERBRAIN / CREA-TECH 2011)

仮にこれが写経だったら、あらゆる所願が成就され、多くの水子を供養でき、死後極楽に向かうことが約束されるほどの数繰り返してクリアしてきたゲーム、メタルマックス2。オリジナルのSFC版はそれこそ10数年前、学校から帰ってきてはひたすら遊んで、ジャポニカに埋蔵アイテムリストを記し、改造表を作り、LOVEマシン効果一覧を作るほどやり尽くしたものだった。

メタルマックス2:リローデッド(以下MM2R)は所謂リメイクものではあるんだけど、実際このゲームに突っ込まれた新要素、それに伴うシステム変更の多さは正直バージョン2.5くらいの変更っぷりだったので、本気で驚かされた。

基本構造は前作(というのも変だけど)の”3″をベースに敷いたもの。キャラメイクを実装し、旧バージョンの固定3人+ポチから極端に自由度がアップ。さらにメイン職業に加え、”サブジョブ”がセットできるようになり、特殊な「アーティスト」や「レスラー」なども気軽に編成に入れられるように。そして全てのゲーム進行を”クエスト”として管理する設計によって、大量のタスクが用意される。それにより、ゲームプレイに強いヒキと目的意識が常に生まれ、ダレることなく最後まで駆け抜けられるような作りになっている。このあたりのゲーム設計はしっかり今風に押さえてあって、リメイクとして堅い作りになっている。

個人的に、設計として一番面白かったのは、ベタなJRPGの構造はそのままで、ガッツリとゲームに「トレハン」要素を持ってきたという点。このゲーム、ほぼ全てのユニークモンスターがレアドロップを複数持っている。当然それを入手できるチャンスはワンスルーにつき1回。そして当然、戦ってドロップする確率は数%。つまり欲しいアイテムを入手するにはリセット上等&周回プレイ前提なワケ。プレイ時間30時間強(僕調べ)、かつロングサイクルの代名詞のようなJRPGでこの仕組みをぶっ込んだのは普通じゃ考えつかない。

だけど僕を含め、(本当にたくさんの)プレイヤーがゲームを何周もして、ドロップ確認>リセットの繰り返しを飽きもせずやるのは、バトルのテンポが軽快であることと、なによりゲーム世界の居心地がものすごく良いからだ。根底に常に流れ続ける悲壮感と、奇妙な世界観。18✕3行のちっぽけなウィンドウで煌めく、凄まじい切れ味のテキスト群。退屈なはずのターンバトルすらも、富士総合火力演習よろしく、何門も同時にぶっ放される大砲やS-Eのビジュアルと音がただただ気持ちいい。そして敵のオリジナルすぎるデザインと名前!特に「強制労働神話Ⅱ」の素晴らしさといったら!!!

そして今日もボケナス(ハンターLv219)はレアドロップ(★★★)を求めて彷徨い続ける。ドラム缶を押しつつ、3周目の世界を。

メタルマックス2: リローデッド Limited Edition (オリジナルサウンドトラック & WANTEDメタルプレート &山本貴嗣先生描き下ろしコミック同梱)

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