石ノ森章太郎「ドラゴンクエストへの道」(作画:滝沢ひろゆき)

マンガ ドラゴンクエストへの道

マンガ ドラゴンクエストへの道

ゲーム屋を生業とする人間にとっては、かの聖典「まんが道」と双璧をなすと言っても過言ではない「ドラゴンクエストへの道」。会社に置いてあったのを発見し、相当久しぶりに読んでいたんですが、ダメですね。何度読んでも目頭が熱くなります。

全体的にエンターテインメントしている作りなので、このシナリオの全てがリアルだとはとても思えないですが*1、長い期間を経てついにマスターアップの瞬間、すぎやまこういちが電話越しに「DQ1」のフィールドBGMを鳴らした時、全ての登場人物が涙してしまう下りを読むと、どうしてもグッとくるものが込み上げてきます。

ここまでドラマチックな話が本当だったのかは分かりませんが、それでもマスターアップの瞬間に流した涙はきっと真実だったんだろうと思い、自分が体験してきた同じような感覚が混ざってしまって、どうしようもなくなる訳です。

時代こそ違えど、同じくマスターアップの瞬間の感慨深さは同じなんだろうと思います。たとえ作ったものがクソゲーだろうと、歴史に残る傑作だろうと、10億単位のプロジェクトだろうと、予算1000万未満の携帯ゲームだろうと、その瞬間の感慨深さは同じなんだろうと思います。

大声で叫びたくなる程の嬉しさと安堵と、ほんの少しの寂しさと。

*1:あと登場人物が総じて美形に描かれすぎでした。堀井雄二、Ⅳの頃にはもう簾頭だったじゃん

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