- 出版社/メーカー: 任天堂
- 発売日: 2006/05/18
- メディア: Video Game
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このゲームが発表された当初、2006年現在、FIFAともJFAとも契約しないで、完全に架空のチーム名・選手名だという事に驚き、スクリーンショットから十分すぎるほど醸し出されるチープさに僕は驚きました。当初僕はこのゲームを買い控えてたんですが、アンダーグラウンドにじわじわと盛り上がっているという事と実際に遊んでいたサッカーファンからの熱い勧誘を受け、数日前に購入。
で、現在、まんまと遊びまくってる自分がいます。
システムやらバランスやら、そのあたりは流石「園部ゲーム」といったところ。無駄を完全に省いて、選手育成にだけフォーカスを当てたデザインは秀逸です。しかし何より、とにかく熱いのが試合シーンです。
この試合でのNPCの挙動が凄く良くできてて*1、各選手のパラメータがかなり的確に反映されるので、その選手の特性や弱点、また自分が行った練習の成果が数字ではなく試合中のパフォーマンスとしてフィードバックされるため、一挙手一投足につい声を上げて盛り上がります。
特に通信対戦は熱くて、本当に監督気分。「ウチの”こしべ”(選手名です)は視野が広いから気ぃつけたほうがいいっすよ」「オレんとこの”しのはら”はボディバランスとヘッドが強いから、ゴール前の動き良く観とけよ」*2なんて会話が自然と発生し、ボールがペナルティエリアの中に入ると両者がGBAの小さい画面をにらみながら大声で叫びまくる気狂いに変貌します。二人ともいい大人なんですけど。
ちなみに、ゲーム的に似たようなコンセプトの「サカつく」はこの熱さが無くて、いくら選手のモデルがリアルになろうが実名選手そっくりのモーションになろうが、選手そのものに愛着を持つことができなかったわけです。
そう考えると、逆にこのくらいの地味すぎるドット絵であるために、無意識のうちに己の想像力によって試合の情景を形作り、自分とゲームとの距離を縮めているのかもしれないですね。80年代に僕らみんなが無意識にやっていたあの感じと同じで。
ここ数ヶ月では出色の傑作。
*1:このゲーム、ジャンルはシミュレーションなので、試合は全てオート。ゲーム中は簡単なシステム・戦術の指示しかできない
*2:ちなみにこの会話内容は全部妄想。パラメータに"視野"も"ボディバランス"もありません。でも本当にそういう風に感じてしまう魔力がある
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