ひとりガサゴソ(ドッグフードを)食う夜は – Mad Max (videogame)

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Mad Max (Warner Brothers / Avalanche Studios: 2015)

結論から言うと、アセットは一流、ゲームプレイは二流。

あらゆる意味で「ザ・7点」のゲーム。

このゲーム、マッドマックスをオープンワールドで遊ぶ、というコンセプトに対しては超忠実。

砂と瓦礫、暴力だけの世界に放り出されて生き抜く、この部分のロールプレイはガッツリハートに来る。

(一部設定に矛盾はあるが)ゲーム版のプロットは「怒りのデス・ロード」の前日譚だって点もご馳走。

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いつのまにか、WBゲームの共有資産になっていた「フリーフォームコンバット」は、例に漏れずこのタイトルにも(多少カスタムはされているものの)搭載。

奇声を上げながら殴りかかるロードキルやバザードとの立ち回りの手触りは(正直バットマン3作とShadow of Mordorでいい加減飽きた感はあるが)悪くない。

そこら中に落ちているドッグフード(もちろんラベルは例のアレ)を食うのも、死体に湧いた蛆虫を食うのも良い。

広大なウェイストランドに転がった廃墟や砦、ロケーションも、使い回し感を出さない工夫がされている。
何より個々のアセットデザインにちゃんとした”理屈”がちゃんと存在しているのが素晴らしい。

自由な物資が手に入らない、だから今ある素材で無理やり何でも作り上げる。そんな”工夫”の楽しさがこの手のポストアポカリプスものの魅力の一つなのだが、この点においては映画に引けをとらない。

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…しかし、そんな素晴らしい不毛の大地で遊ぶ事、それはただただ不毛な反復プレイ。

 

個々のメインクエスト自体には、それなりの個別演出や盛り上げはある。しかしこのゲーム全体のボリュームを担保しているサブクエスト、これがキツい。
恐らくゲーム全体の75%ほどを占める「やる事」がほぼ同じ。

 

  1. フィールドに点在する敵の陣地(砦)に潜入
  2. 襲ってくる人間を殴り合いで倒しまくる
  3. ボスを倒す or 特定オブジェクトを破壊

マジでこれだけ。一応この手のゲームによくある「コレクティブ要素」もあったりするが、だからといって遊びに変化やメリハリが起こるわけでは無い。

 

…でも何故か、こんなクソみたいな反復をやっちまう自分がいる。まったく代わり映えのしない行為を、ただただ貴重な昼休みを利用してまでプレイし続ける自分がいる。
ボールペンコウジョウ(最近だとレゴゲームの悪夢的にまで膨大なサブクエスト)の狂気に取り憑かれた人間、そいつらにのみ勧められる、歪んだ一本。

 

最後に、原作ファンに絶対観てほしいシーンが一つだけある。

ゲーム内でドッグフードを食べる時のマックスの表情。これが「2」で同じくドッグフードを食った時のメルギブのイキ顔そっくりなんで。

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