4Gamer.net ― Access Accepted第224回:id Software買収劇に見る,独立系デベロッパの現状
記事中段あたりの写真を見て、なんだか無性に涙が出そうになった。
左端ではにかむ青いTシャツの青年がジョン・カーマック。中央でひときわおどけてみせるタンクトップがジョン・ロメロ。ゲーム作りで飯を食べている人間なら知らないはずがない天才二人を擁し、この後「DOOM」「Quake」といった(金字塔、なんて言葉では片付けられないほどの)作品を立て続けに産み落とすモンスターカンパニーid software。その設立当初を写した歴史的なワンショット。
しかし、ここに写っているのは、吹き出さんばかりの情熱と才能を肉体に宿し、なによりもゲームを愛する、まだ何者でもない、ちっぽけな若者達の姿だ。
僕が仕事として初めてゲームを作ってから8年。それなりに責任のあるポジションを任され、部下(というわけではないけれど)を持ち、今もゲームを作っている。充実感のある毎日を過ごしている。ただ、この写真を見ていると、何か決定的なものを無くしてしまったような、そんな気がしてたまらなくなる。わき出るアイデアと魂を、大好きな友達と一つのゲームに込めて作っていた、ゲロを吐くほど楽しかったあの日々を思いだしてしまって、たまらない気持ちになる。
なお、注釈にもあるが、この写真のメンバーの殆どが今のidにはいない。「Quake」の後、ロメロは退社し、ION Stormを設立する。*1そしてカーマックはidに留まり、Zenimaxに買われるまでインディペンデントの姿勢を貫き、今も同社のトッププログラマとして最前線で戦い続けている。
余談:2008年の僕のGOTYは、カーマックプロデュース/プログラム*2/脚本の「Orcs & Elves(DS)」。もうダントツ。
*1:同じく写っているトム・ホールもION stome設立メンバー。また、ION Stormは後にウォーレン・スペクター(彼もまた不世出の天才)が加入、僕のオールタイムベストゲーム「Deus Ex」を発売する。
*2:携帯オリジナル版。DS版はその移植
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